クレーマーの心理を理解すると、困った場面でも対処しやすくなります。いくらこちらが誠意のある態度を示しても、一切聞く耳を持たないクレーマー。
最近は悪質なクレーマーも増え、お店の営業に悪影響を与える場合もあります。対面での嫌がらせだけでなく、最近ではSNSでのクレームもあるでしょう。
そこで今回はクレーマーの心理背景を考えて、上手に対処するコツをご紹介していきますね。
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クレーマーの心理とは?
理不尽なことを言い続ける迷惑なクレーマーは、心理的にどのような背景があるのでしょうか。気になる行動の原因になる部分を、詳しくご解説していきましょう。
被害者意識が強い
レストランの食事がいまいちだと、文句を言ってくるクレーマー。普通の人ならそれくらい我慢できるだろうというところにも、厳しくつけ込んできます。
その理由はクレーマーの心理として、いつも自分が被害者であると思っているため。自分のことを誰もわかってくれないと、無力であることを攻撃的に相手にアピールしてくるのです。
被害者意識とは自分が被害を受けている立場でなくとも、被害を受けていると思い込むこと。誤った行為を正当化するために、人に責任転嫁しているのです。
クレーマーの多くは、たとえ相手が過ちを認めても納得しないケースが多いですよね。いつまでも被害者の自分を労わってほしい気持ちが残っているからでしょう。
自分のこだわりルールがある
世の中には、世間一般的な常識が通用しない人がいます。クレーマーはこのような常識を理解できず、自分だけのルールに沿って行動しています。
たとえば店員さんの態度に腹を立てた時、相手が深々と頭を下げて謝るべきだと、自分のこだわりを持っています。「すみません」と言葉で謝罪するだけの店員にさらに腹を立てて、「謝り方が悪い」とエスカレートしていくのです。
クレーマーの心理はいつも自分が「正しい」と自信を持ち、こだわった正義感を持っているのが特徴。考え方に余裕がないので、いつも他人とぶつかることがあるでしょう。
ストレスを抱えている
その時たまたまイライラしていたので、店員の態度に腹を立てるのは誰でも経験があるはず。クレーマーの心理も同様に、ストレスが原因で突飛な態度をとる場面がありますが、普通の人と違うのは常にストレスを感じていること。
幸せに感じる出来事が少なく、いつもネガティブになっています。ストレスを解消するためにお酒を飲みそのまま買い物をして、お店の人と対立するようなケースもあるでしょう。
弱い人の前では強気になる
クレーマーの心理が働く人は、自分よりも立場が低い人を見ると徹底的に攻撃してきます。たとえば自分がお客様の立場なら、店員は言うことをなんでも聞くべき存在。
弱い人に対しては強気な態度で接し、逆に自分より強そうな人だと何もできません。アルバイトの店員の失敗を謝るために出てきたマネージャー。
しっかりとした態度で強そうな性格だと、クレーマーはそのまま大人しく引き下がるでしょう。相手を見て喧嘩を売るような、気の弱い人なのかもしれません。
経験値が少ない
外出して、知らない人に接客されることは毎日あります。お店や行き先によっては、サービスの質が異なるのは仕方ありませんよね。
たとえば高級フレンチ料理のレストランと定食屋では、店員の教育方法は違いますしプロ意識の有無も関係しています。経験値が少ないクレーマーは、どこに行っても自分が王様のように扱われるのが当然だと勘違いしています。
高級店並みのサービスをしてくれないところはダメ、怒って当たり前だと考えているのです。世の中のシステムを、きちんと理解できていない可能性もあります。
感情的になりやすい
クレーマーは感情的になりやすく、物ごとを順序よく考えられません。とくに負の感情をアピールするのが上手く、怒ったり泣いたりすることに慣れています。
カスタマーサービスに電話を入れて商品の文句を言い、会話している間にどんどんエスカレートしてしまうのです。後で冷静になると、少しやりすぎたかも…と反省するクレーマーもいるでしょう。
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クレーマーの心理を考えて対応するコツ
クレーマーの言い分を聞いていると、こちらまでイラッとする場合があります。そんな時に同じような態度で接してしまうと、さらに事態は悪化するでしょう。
ではどのようにしてやり過ごすか、クレーマーの心理背景を考えながら賢く対処する必要があります。
事実関係を説明する
クレーマーの対応は、そのシチュエーションを正しく理解するのが、最初のステップになります。何がどうなったのか、相手は何が気に入らないのか、順序立てて把握してください。
その次は事実関係をクレーマーにはっきりとさせることで、謝るべきことかどうか適切な判断をしましょう。たとえばお客さんが多い店内にクレーマーが登場すると、お店側としてはなるべく早く片づけたいと思いますよね。
すると意味もなく謝罪して、後でもっと大事につながるケースもあります。何が起こったのか、誰の責任か、事実関係は中立な立場でするのが必要です。くれぐれも弱い立場にならないよう、自分の心理背景も考えておくと安心です。
反論せずじっくりと聞く
クレーマーは自分の存在価値を知らせたくて、激しい攻撃をしてくるケースがあります。たとえば孤独な人。話し相手がいないので、他人とどう接すればよいのかわからない場合も。
このようなクレーマーは、ただひたすら相手の愚痴こぼしや文句を聞いているだけで、納得して帰る場合がありますので、反論はせずとにかく話を聞きましょう。
簡単に商品交換や返金で済ませてしまうと、本当の問題が見えない可能性もあります。そのためにも相手の言い分をきちんと聞き、判断したほうが安心です。
感情を別にして考える
クレーマーの心理は、自分の力を相手に誇示したいことも考えられます。そのため理不尽な手法を使い相手を攻めてくるので、感情的になってしまうのは当然です。
しかしお互いに怒鳴り合っては、一向にシチュエーションは改善されず、さらに弱い立場になる場合もあるでしょう。まずは自分の感情と論理を、分けて対応すること。
ひたすら謝れば済むというわけでもないので、感情を一旦置いて論理的に、今何をして相手の怒りを静めるか解決策を考えましょう。
具体的な改善案を提案する
クレーマーは、ただ言葉で謝ってもらっても納得しません。どれくらい悪いと思っているのか形に示してほしい、そんな言い分があるのでしょう。
事態を悪化させないためには、クレーマーに対して具体的な改善案を提案して、冷静になってもらうのが大切です。自分が被害者なので、便宜を図ってもらって当然。
たとえばお店が間違った商品を郵送してしまった場合、正しい商品は〇月〇日の日付指定で送りますなど、明確な数字で提示するのがコツです。
謝りすぎない
クレーマーの心理背景を考えると、とにかく謝ってその場を立ち去ってほしいと思うのが本音です。だからといって「すみません」「申し訳ありません」とひたすら繰り返すだけでは、相手に気持ちが伝わらないケースも。
「謝って済む問題ではない」という反撃を聞くことがよくありますが、軽々しく謝ると逆にクレーマーの神経を逆なでするリスクがあります。
まとめ
クレーマーの心理は納得のいく部分もある反面、怒りたくなる場面では大人の行動で接したいですね。相手の立場になるのが、クレーマーには欠けている部分なのでしょう。